Cysteine Covalent Library

フラグメント創薬（fragment-based drug discovery：FBDD）は理論的にフラグメントの有利な組合せ方により高活性な薬剤候補を得る確率を高めることができます。数百万の大型分子をスクリーニングする従来の手法に対して、数千のフラグメント分子の組合せにより数百万の薬剤構造を形成することが可能であり、また収集と管理も容易です。さらに、フラグメントは分子量が小さく、比較的高い溶解性を持つため、構造最適化が容易です。FBDDによる市販薬の実現が期待されています。近年では、共有結合を形成するフラグメントが薬物探索における重要なツールとなっています。特にシステイン残基に関しては多くの成功事例があり、新しい共有結合修飾化合物の発見と合成への期待が高まっています。そこで当社はシステイン特異的な共有結合形成フラグメント官らなる本ライブラリー構築しました。フラグメント分子の反応部位は親電子性の高いアクリルアミド構造またはクロロアセトアミド構造（ライブラリのそれぞれ25％および75％）をとっています。これらの官能基は反応性が適度であり、化学プロテオミクススクリーニングにおける選択性の確保に寄与します。

フラグメントの構造例：