High Solubility Polyfunctional Group Fragment Library

従来の創薬では、新薬発見のほとんどを天然化合物か既存の化合物データからのスクリーニングに依存してきたにもかかわらず、その方法はあまりにランダム、予測不能で、効率が悪いものでした。そこで、医薬化学分野では薬剤探索のためのハイスループットスクリーニング（High throuput screening; HTS）が開発されました。多くの製薬企業は数百万の低分子からなる化合物ライブラリーを構築し、薬剤の候補化合物を多数発見してきました。しかし、複雑化したターゲットにおいてはHTSが奏功しないことも多く、ポテンシャルの高い化合物の探索は困難であり、しかもスクリーニングされた化合物には偽陽性が多く、ドラッガビリティの低いものもあります。こうした状況の中で、フラグメント創薬（Fragment-based drug design; FBDD）が生まれました。 FBDDの理論的な基盤は、有望なフラグメントを組み合わせることや修飾することで新規の薬物分子を得ることにあります。この手法により活性の高い薬剤候補をより高い確率で得ることを目指しています。数百万の中分子のスクリーニングに比べ、数千のフラグメント分子の組み合わせは数百万の薬物構造を形成することが可能で収集?管理が容易なだけでなく、フラグメントは分子量が小さく比較的高い溶解性を有しているため構造の最適化も容易となり、薬物としてのポテンシャルが向上します。本ライブラリーはマーケット上のフラグメント全てについて空間安定性を分析し、構造的多様性を確保できるよう構築しています。ライブラリー化合物の多様性を高めるため、いくつかの追加の飽和複素環化合物の一部から適切なものを追加し補完しています。